Jakarta EEのリリースサイクルとバージョンの進化をやさしく解説!
生徒
「Jakarta EEって、バージョンが色々あるって聞いたんですが、どうやって進化してきたんですか?」
先生
「いい質問ですね。Jakarta EEはもともとJava EEから生まれたもので、そこから新しいリリースサイクルのもとで進化してきました。」
生徒
「リリースのタイミングとか、どのバージョンで何が変わったのかとか、詳しく知りたいです!」
先生
「それでは、Jakarta EEのバージョンの流れとリリーススケジュールの特徴について順を追って見ていきましょう!」
1. Jakarta EEはJava EEの後継プラットフォーム
Jakarta EEは、かつて「Java EE」として企業システムを支えてきたエンタープライズ向けプラットフォームの正式な後継です。2017年にOracleからEclipse Foundationへ管理が移行したことで、コミュニティ主導のよりオープンな仕組みへと変わりました。この移行により、Java EE時代に指摘されていたアップデート速度の遅さなどの課題が解消され、現代のアプリケーション開発に求められるスピード感を取り戻しました。
従来のJava EEでは、サーバー製品側の更新タイミングや仕様策定の遅れなどもあり、クラウド技術への対応が後手に回ることが多くありました。Jakarta EEではこれらを改善し、より頻繁で安定したリリースサイクルを採用。クラウドネイティブやマイクロサービスにも適したモダンな技術として再構築されています。
Java EE と Jakarta EE の違いがわかりやすい簡単な構成比較
// Java EE 時代の Servlet のパッケージ
import javax.servlet.http.HttpServlet;
import javax.servlet.http.HttpServletRequest;
import javax.servlet.http.HttpServletResponse;
// Jakarta EE の Servlet のパッケージ
import jakarta.servlet.http.HttpServlet;
import jakarta.servlet.http.HttpServletRequest;
import jakarta.servlet.http.HttpServletResponse;
パッケージ名の変更は地味に見えますが、Jakarta EEへの進化を象徴する大きなポイントです。これにより商標の制約から自由になり、今後の機能拡張やAPI統合がしやすい環境が整いました。初心者にとっても、こうした違いを知っておくことで「どのバージョンの技術を学べばよいのか」を判断しやすくなり、長く活かせる知識が身につきます。
2. Jakarta EEのリリースサイクルとは?
Jakarta EEでは、1年〜1年半ごとの定期的なリリースが基本方針となっています。これは、Java SEのリリースサイクルにも合わせやすく、エンタープライズ向けの技術にもスピード感が求められる現代に適応しています。
リリースは主に以下のように区分されています:
- マイルストーンリリース:ベータ版やプレビュー機能を含む段階
- 正式リリース:全仕様が確定し、安定したバージョン
また、Jakarta EE Working Groupによって仕様が公開され、複数のベンダーがその実装を提供します。
3. Jakarta EEのバージョン進化と特徴
Jakarta EEの主なバージョンと、それぞれの特徴は以下のとおりです:
| バージョン | リリース年 | 主な内容 |
|---|---|---|
| Jakarta EE 8 | 2019年 | Java EE 8と同一仕様。移行のための最初のバージョン。 |
| Jakarta EE 9 | 2020年 | javax.* から jakarta.* へのパッケージ名変更。 |
| Jakarta EE 9.1 | 2021年 | Java SE 11対応。マイクロサービス対応が強化。 |
| Jakarta EE 10 | 2022年 | モダン化の本格化。CoreとLiteのプロファイル導入。 |
| Jakarta EE 11 | 予定:2024〜2025年 | 新しい機能やAPI統合、Jakarta NoSQLやgRPC連携の可能性。 |
特にJakarta EE 9のパッケージ名変更は、互換性と移行に関して大きなポイントです。これはOracleの商標制約により避けられなかった措置であり、移行作業を伴いますが、将来的な成長には不可欠でした。
4. Jakarta EEのモダン化とLiteプロファイル
Jakarta EE 10では、初めてLiteプロファイルが導入され、クラウドネイティブやマイクロサービスに最適化された構成が可能になりました。
これにより、フル仕様のJakarta EEでは重いと感じていた開発者も、必要最低限のAPIだけで軽量な開発ができるようになりました。
たとえば、以下のような特徴があります:
- Jakarta RESTful Web Services(JAX-RS)
- Jakarta Dependency Injection(CDI Lite)
- Jakarta JSON Processing
- Jakarta Annotations
クラウドファーストな時代において、Jakarta EEもまた軽量で柔軟な構成へと進化しているのがわかります。
5. バージョンごとの移行戦略
Jakarta EEは基本的に後方互換性を意識しながら進化していますが、javaxからjakartaへの変更など、移行に手間がかかる場合もあります。
そこで、移行時のポイントは以下の通りです:
- Jakarta EE 8 → 9:パッケージ名変更に注意
- 9 → 9.1:Java SE 11対応の確認
- 9.1 → 10:不要な仕様を省く準備(Lite利用)
商用プロジェクトで移行を検討する場合は、PayaraやWildFlyなどのアプリケーションサーバの対応状況も事前に確認しておきましょう。
6. Jakarta EEはこれからも進化を続ける
Jakarta EEの進化は止まりません。Jakarta EE 11では、さらなる機能強化やクラウド対応、API統一が進められる予定です。
また、Jakarta ConfigやJakarta Dataなどの新仕様の登場も期待されており、今後のJavaエンタープライズ開発を支える存在として重要性が高まっています。
初心者にとっては、リリースサイクルの変化やバージョンの違いを理解することで、開発のタイミングや学習対象の判断がしやすくなります。
まとめ
ここまでの内容を振り返ると、Jakarta EEがどのように誕生し、どのようなリリースサイクルで発展してきたかが立体的に理解できたはずです。Java EEから移行した背景や、Eclipse Foundationのもとで生まれ変わった新しい進化の流れを知ることで、Jakarta EEが現代のクラウド中心の世界に適応し続けていることが実感できます。特に、Jakarta EEのバージョンごとの特徴を理解することは、実際のプロジェクトで使用する際の判断材料として非常に重要です。バージョンアップのタイミングを見極めたり、アプリケーションサーバの対応状況を調べたり、開発計画を立てる際に役立つ知識が自然と身につくでしょう。加えて、Java EE時代と比較した際の大きな違いである「定期的なリリースサイクル」は、より安定した企業システム開発に向けた大きな進歩でもあります。
さらに、Jakarta EE 9で行われたパッケージ名の大規模変更は、多くの開発者にとって一度は向き合わなければならない大きな節目でしたが、この変更によってエンタープライズJava全体がより自由な発展を遂げやすい環境になりました。このような変化は一見すると負担に見えるものの、長期的に見れば、Javaエコシステムがオープンで継続的に進化できる仕組みが整ったという大きな意味があります。プラットフォームとしての独自性と柔軟性を確保しながら、より広い技術トレンドと連携していけるようになった点は、開発者にとっても企業にとっても大きなメリットです。
Jakarta EE 10以降のモダン化の流れでは、「Liteプロファイル」の登場が象徴的でした。これにより、クラウドネイティブやマイクロサービスのような新しいアーキテクチャとの相性が一気に向上し、従来の重量級なイメージが大きく変わりつつあります。必要な機能だけを組み合わせて軽量にアプリケーションを構築できるようになったことで、従来よりも柔軟な選択をしながら開発できる環境が整いました。こうした進化を全体で把握しておくことで、どのバージョンにどの機能が含まれているのか、どの機能がどのプロファイルで利用可能なのかを自然と判断できるようになります。
また、Jakarta EEのリリースサイクルや進化の理解を深めるためには、実際のシステムやコードと結びつけて考えることも大切です。以下は、パッケージ名変更後のJakarta EE形式で記述された簡単なREST APIとエンティティの組み合わせの例です。移行後のコード構造を確認することで、バージョンごとの違いがより理解しやすくなります。
import jakarta.ws.rs.GET;
import jakarta.ws.rs.Path;
import jakarta.ws.rs.Produces;
import jakarta.ws.rs.core.MediaType;
import jakarta.persistence.Entity;
import jakarta.persistence.Id;
import jakarta.persistence.EntityManager;
import jakarta.persistence.PersistenceContext;
@Entity
public class ReleaseInfo {
@Id
private Long id;
private String version;
private String description;
public String getVersion() { return version; }
public String getDescription() { return description; }
}
@Path("/release")
public class ReleaseResource {
@PersistenceContext
private EntityManager em;
@GET
@Produces(MediaType.APPLICATION_JSON)
public String getLatestRelease() {
ReleaseInfo info = em.find(ReleaseInfo.class, 1L);
return "{\"version\":\"" + info.getVersion() + "\",\"detail\":\"" + info.getDescription() + "\"}";
}
}
上記のように、Jakarta EE移行後のコードでは、パッケージ名がすべてjakarta.で統一されているため、近代的で一貫性のあるコード構成を実現できます。この変化は、今後のAPI拡張や新仕様追加にも対応しやすい土台となっており、プラットフォームとしての信頼性を高めています。特に、Jakarta Config や Jakarta Data のような新しい仕様が今後加わる可能性があることを考えると、統一されたパッケージ構造は非常に合理的です。
Jakarta EE 11では、さらにクラウド時代を意識した機能追加が期待されており、企業システムだけでなく幅広いアプリケーションでの採用が進むと予想されています。リリースサイクルの把握は、最新機能がどのタイミングで利用可能になるのかを知るうえで重要であり、システムのアップデート計画を立てる際にも役に立ちます。初心者でも、バージョンの移り変わりとリリーススケジュールを知っておくことで、学習計画が立てやすくなり、無理のないステップでモダンなJakarta EEを身につけることができるでしょう。
生徒
「Jakarta EEの歴史とバージョンの違いがこんなにわかりやすく整理されているとは思いませんでした。移行が大変だと言われる理由もよく理解できました!」
先生
「バージョンごとの特徴を知っておくと、どの時期にどの技術を使うべきか判断しやすくなりますよ。特にリリースサイクルはとても重要です。」
生徒
「Jakarta EE 10のLiteプロファイルのおかげで、クラウド向けの開発がしやすくなっているのも面白いですね。実際に触ってみたいです!」
先生
「Liteはとても扱いやすいので初心者にもおすすめです。これからJakarta EE 11のリリースも控えていますし、学習するタイミングとしても良いですよ。」
生徒
「今日のまとめを踏まえて、バージョンの違いを気にしながら小さなAPIを作るところから始めてみます!」
先生
「ぜひ挑戦してみてください。理解がどんどん深まっていきますよ。」