カテゴリ: Jakarta EE 更新日: 2026/01/28

Jakarta EEとJava EEアプリの互換性を完全解説!移行で困らないための基礎知識

Jakarta EEと従来のJava EEアプリの互換性
Jakarta EEと従来のJava EEアプリの互換性

先生と生徒の会話形式で理解しよう

生徒

「Java EEで作った古いWebアプリって、Jakarta EEでもそのまま動きますか?」

先生

「基本的には動かせますが、いくつか注意点があります。特にパッケージ名の変更が大きなポイントになりますよ。」

生徒

「パッケージ名が変わったんですか?知らなかった……どう対応すればいいんでしょう?」

先生

「それでは、Jakarta EEとJava EEアプリの互換性について、詳しく見ていきましょう!」

1. Java EEからJakarta EEへの歴史的な移行

1. Java EEからJakarta EEへの歴史的な移行
1. Java EEからJakarta EEへの歴史的な移行

Java EE(Java Platform, Enterprise Edition)は、長年にわたり業務系Webアプリケーションの標準基盤として多くの企業システムで利用されてきました。ServletやJSP、JPAといった技術は、JavaでWeb開発を行う上での基礎として定着しており、公共系や金融系を中心に現在も多くのJava EEアプリが稼働しています。

2017年、このJava EEはOracleからEclipse Foundationへ移管されることになり、プロジェクト名もJakarta EEへと変更されました。これは単なる名称変更ではなく、仕様管理の主体やライセンス、今後の進化の方向性を見直す大きな転換点でもあります。

この移管に伴い、特に重要な変更点として登場したのがパッケージ名の変更です。Jakarta EE 8までは従来どおりjavax.*が使われていましたが、Jakarta EE 9以降では、すべてのAPIがjakarta.*に統一されました。これにより、Java EE時代のコード資産を扱う際には、この違いを正しく理解しておく必要があります。

初心者向け:名前が変わっただけの例

仕組み自体はほとんど変わっていませんが、使う名前が変わった点が初心者にとって混乱しやすいポイントです。以下はServletの例で、やっていることは同じですが、パッケージ名だけが異なります。


// Java EE時代のServlet
import javax.servlet.http.HttpServlet;
import javax.servlet.http.HttpServletRequest;
import javax.servlet.http.HttpServletResponse;

// Jakarta EE時代のServlet
import jakarta.servlet.http.HttpServlet;
import jakarta.servlet.http.HttpServletRequest;
import jakarta.servlet.http.HttpServletResponse;

このように、Java EEからJakarta EEへの移行は「仕組みを一から作り直す」というよりも、長年使われてきた技術を引き継ぎつつ、名前と管理体制を整理したものだと理解すると、全体像がつかみやすくなります。

2. 互換性の基本的な考え方

2. 互換性の基本的な考え方
2. 互換性の基本的な考え方

Jakarta EEでは、これまでに作られてきたJava EEアプリケーションの資産をできるだけ無駄にしないことが重視されています。そのため、いきなり大きく仕様を変えるのではなく、段階的に移行できる仕組みが用意されています。

特に重要なのがJakarta EE 8の位置づけです。Jakarta EE 8は、API仕様がJava EE 8と完全に同一で、パッケージ名も従来どおりjavax.*が使われています。このため、Java EE 8で動作していたアプリは、コードを一切変更せずにJakarta EE 8でも動作します。

一方で、Jakarta EE 9以降ではjavaxからjakartaへのパッケージ名変更が行われました。これは「急に動かなくなる」という意味ではなく、互換性の境目が明確に分かれたと考えると理解しやすいです。

初心者向け:どこまでならそのまま動く?

プログラミング未経験者の方は、「何が変わって、何が変わらないのか」を意識すると混乱しにくくなります。以下は、Java EE 8とJakarta EE 8で共通して使える非常にシンプルな例です。


// Java EE 8 / Jakarta EE 8 共通で動くコード例
import javax.servlet.http.HttpServlet;
import javax.servlet.http.HttpServletRequest;
import javax.servlet.http.HttpServletResponse;

public class HelloServlet extends HttpServlet {
    protected void doGet(HttpServletRequest req, HttpServletResponse resp) {
        // 画面に文字を表示するだけの簡単な処理
    }
}

このコードは、Java EE 8でもJakarta EE 8でも同じように動作します。つまり、まずはJakarta EE 8に移行して環境だけ新しくし、その後にJakarta EE 9以降へ進むという段階的な進め方が可能です。

互換性の基本は、「Jakarta EE 8までは安心してそのまま使える」「Jakarta EE 9以降は名前変更への対応が必要」と覚えておくと、全体の流れがスッと理解できます。

3. パッケージ名の変更とその影響

3. パッケージ名の変更とその影響
3. パッケージ名の変更とその影響

Jakarta EE 9で行われた最大の変更点が、すべてのAPIパッケージ名が javax.* から jakarta.* に変更されたことです。これは内部の動きが変わったというより、「使う名前が完全に切り替わった」点が重要になります。

そのため、Java EE時代に書かれたアプリケーションは、そのままではJakarta EE 9以降の環境でコンパイルできません。エラーの多くはロジックではなく、import文が見つからないことが原因になります。

代表的なAPIの変更例は以下のとおりです。

  • javax.servletjakarta.servlet
  • javax.persistencejakarta.persistence
  • javax.ws.rsjakarta.ws.rs
  • javax.facesjakarta.faces
  • javax.jmsjakarta.jms

初心者向け:import文が変わるだけの例

プログラミング未経験者の方は、「コードの中身が大きく変わるのでは?」と不安に感じるかもしれませんが、実際には処理内容は同じで、import文だけが変わるケースがほとんどです。


// Java EE時代のimport
import javax.persistence.Entity;
import javax.persistence.Id;

// Jakarta EE時代のimport
import jakarta.persistence.Entity;
import jakarta.persistence.Id;

@Entity
public class User {
    @Id
    private Long id;
}

このように、クラスの中身や書き方は変わっていません。違うのは「どこからクラスを読み込むか」だけです。

ただし、ソースコードだけでなくXML設定ファイルや設定用の名前空間にも javax が含まれている場合があるため、移行時はまとめて確認・修正する必要があります。パッケージ名の変更は単純ですが、影響範囲が広いため、ここが移行作業で最も時間を使いやすいポイントになります。

4. Jakarta EE 9以降への移行に必要な作業

4. Jakarta EE 9以降への移行に必要な作業
4. Jakarta EE 9以降への移行に必要な作業

Jakarta EE 9や10へ移行する場合、以下の作業が必要になります。

  • ソースコードのimport文をすべてjavax.*からjakarta.*に変更
  • XMLや設定ファイル内の名前空間URIの書き換え
  • ビルドツール(MavenやGradle)の依存ライブラリの更新
  • アプリケーションサーバの対応状況を確認(Payara, WildFlyなど)

特に、IDEでの一括リファクタリング機能を活用すれば、import文の修正は効率的に行えます。

5. Jakarta EE 8での一時的な移行戦略

5. Jakarta EE 8での一時的な移行戦略
5. Jakarta EE 8での一時的な移行戦略

Java EEからJakarta EE 9以降への移行に不安がある場合は、まずJakarta EE 8をターゲットにするのが現実的です。

Jakarta EE 8はJava EE 8と完全に互換性があり、パッケージ名の変更も行われていません。そのため、コードや設定ファイルを修正することなく、アプリケーションサーバや依存ライブラリだけを切り替えることが可能です。

これにより、将来的にjakarta.*への移行を計画的に進めることができ、業務システムへの影響を最小限に抑えることができます。

6. Java EEからの移行を支援するツールとサーバ

6. Java EEからの移行を支援するツールとサーバ
6. Java EEからの移行を支援するツールとサーバ

現在、多くのJakarta EE対応アプリケーションサーバやフレームワークでは、Java EEからの移行を支援するドキュメントやツールが提供されています。

  • Payara:Jakarta EE 9/10対応。旧Java EEアプリのマイグレーションガイドが豊富。
  • WildFly:Jakarta EE 10対応済み。Maven・Gradleでの自動ビルド対応も強力。
  • Eclipse Transformer:ソースコードやバイナリのjavax → jakarta変換を自動化するツール。

これらを活用することで、移行作業の負担を大きく軽減できます。

7. これからのJavaエンタープライズ開発に向けて

7. これからのJavaエンタープライズ開発に向けて
7. これからのJavaエンタープライズ開発に向けて

Java EEからJakarta EEへの移行は、単なる技術的な変更ではなく、Javaのエンタープライズ開発を未来に継続させるための進化でもあります。

今後は、Jakarta EE 10やMicroProfileとの連携など、よりクラウドネイティブな方向に進んでいくことが予想されます。古いJava EEアプリケーションを大切に活かしながら、段階的にモダンなJavaへとアップデートしていきましょう。

まとめ

まとめ
まとめ

Jakarta EEとJava EEの互換性について丁寧に理解することで、既存のエンタープライズアプリケーションを安全に移行し、長く運用していくための知識が身につきます。特に、歴史的な移管によってjavaxからjakartaへと変更されたパッケージ構造の違いは、移行作業において避けて通れない重要な要素です。Java EE 8とJakarta EE 8の完全互換性を活用すれば、既存の資産をそのまま活かしつつ、将来的なJakarta EE 9/10移行に向けた段階的な戦略が立てやすくなります。また、ソースコードや設定ファイルに存在するimport文、XMLの名前空間URIをどのように扱うかを把握しておくと、規模の大きいプロジェクトでもスムーズにモダナイズが進みます。 現在のJakarta EE環境では、アプリケーションサーバの提供する移行ガイドや自動変換ツール、さらにEclipse Transformerのようなパッケージ書き換え支援ツールなど、多くのサポート手段が揃っています。これらを活用すれば、既存のJava EE資産を現代的なアプリケーションへと成長させるための大きな助けになります。互換性の本質を理解し、どのバージョンをターゲットにすべきかを見極めることで、組織全体の技術基盤をより安定させ、保守性の高いアーキテクチャへと進化させることができます。

移行時のサンプル構成例

以下に、パッケージ名が変更されたJakarta EE 10を利用するための代表的な依存設定例を示します。Java EEからの移行時に確認すべきポイントが整理されており、アプリケーションの構成を見直す際に役立ちます。


<dependencies>
    <dependency>
        <groupId>jakarta.platform</groupId>
        <artifactId>jakarta.jakartaee-web-api</artifactId>
        <version>10.0.0</version>
        <scope>provided</scope>
    </dependency>

    <!-- JPAを利用する場合のパッケージ変更例 -->
    <dependency>
        <groupId>jakarta.persistence</groupId>
        <artifactId>jakarta.persistence-api</artifactId>
        <version>3.1.0</version>
    </dependency>
</dependencies>

Java EE時代の構成と比較すると違いが分かりやすく、特にjavax.persistenceではなくjakarta.persistenceを使う必要がある点が確認できます。移行作業ではこのような依存関係の見直しが必須であり、XML設定やアノテーションの記述にも影響が及ぶため、構成の全体像を理解したうえで作業を進めることが大切です。 また、移行の初期段階ではJakarta EE 8をターゲットとして環境を安定させ、その後にJakarta EE 9/10へと段階的にアップデートする方法も現場で多く採用されています。複雑な業務システムでも、段階的移行によって影響範囲を抑えつつ、安全に最新仕様へ近づけることができます。

互換性を理解する重要性

本記事で解説した内容は、Java EEからJakarta EEへ移行する際に必要となる知識の基礎部分です。javaxとjakartaの違い、XML定義の書き換え、依存ライブラリの更新といった作業は一見複雑に思えますが、全体の流れをつかんでおくとスムーズに対応できます。また、アプリケーションサーバごとに移行の注意点が存在するため、公式ドキュメントを確認しながら進めることで、非互換性によるトラブルを事前に防ぐことができます。 将来的には、MicroProfileとの統合やクラウドネイティブ技術への適応がより重視されるため、最新仕様を理解したうえで柔軟に構成を変更できる力が求められます。Jakarta EEを理解することは、長期的なWebアプリケーション開発の基礎を固めることにつながり、今後のシステム運用にも大きく貢献することでしょう。

先生と生徒の振り返り会話

生徒:「javaxからjakartaに変わったことで、どうしてこんなに影響が大きいのか今日よく分かりました!」

先生:「そうですね。特にアプリケーション全体で使われているパッケージですから、名前が変わるとコードにもXMLにも広く影響します。」

生徒:「Jakarta EE 8を経由する移行方法も知れて安心しました。いきなり9や10にする必要はないんですね。」

先生:「はい、段階的に進めることで安全に環境を更新できます。移行ツールを使えばさらに効率的に進められますよ。」

生徒:「今後はMicroProfileとかクラウド系とも関わっていくんですよね?」

先生:「そのとおりです。Jakarta EEの理解はこれからのJava開発の大切な基盤になります。」

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